今回はカウンター主体の四間飛車の中で、四間飛車から積極的に攻めることができるのが特徴の角交換四間飛車を深ぼっていきます。
角交換四間飛車といっても様々な手があり、複数の方法を覚えておけば相手の手に合わせて戦うことができます。ぜひ実践で試してください。
本日は私の実践例を中心にご紹介していきます。
この記事を読んでいただくことで以下のことが分かります。
・角交換四間飛車の多彩な活用方法について
・将棋アプリ初段の角交換四間飛車の実践活用方法について
私の将棋歴は
現在将棋クエスト・将棋ウォーズ初段で二段に挑戦中。
四間飛車党。
将棋を独学で始めて約2年半で将棋ゲームアプリで初段に昇格
となります。
それでは解説していきます。
基本的な駒組
角交換四間飛車の基本的な駒組をご紹介します
※指し手や状況によって手順の違いがあります。
ポイント1:角交換のタイミング
ポイント2:角打ちの隙に気を付ける
1手目7六歩
まずは角道を空けます
3手目6八飛
角道を止めずに飛車を振ります。
もし相手から角交換してくれば1手得します。
5手目4八玉
ここですぐに角交換を仕掛けても良いですが、少し相手の出方の様子を見るために玉を移動します。
7手目1六歩
これは相手に穴熊にしますか?と聞く手です。1四歩と応じなければ穴熊の可能性が高くなります。穴熊の場合は別の対策を考えます。
9手目3八玉
玉をさらに移動します。ここでノーマル四間飛車では3八銀と先にすることがありますが、角道を空けている場合は注意です。仮にこの局面で3八玉とすると相手から角交換をされて、2八角と打たれます。角交換四間飛車では常に角打ちの隙に気を付けるのがポイントです。
11手目2二角成
相手4二玉をみて、そろそろ角交換をします。相手が3二玉まで進んでから角交換をすると相手2二玉と手順通りに進まれますので、それは良くありません。このタイミングで角交換すれば壁銀状態になって相手は玉を囲うのに手数がかかります。角交換四間飛車では角交換の効果的なタイミングを見極めるのがポイントです。
13手目8八銀
角交換をした後は、相手の飛車先の歩交換を防ぐために、早めに左銀を上げていきます。
15手目7七銀
これで相手の飛車先の歩交換を防げます。
17手目2八玉、19手目3八銀
これで片美濃囲いができました。
ここでいったん基本的な駒組の紹介は終わります。
相手が飛車先の歩を交換してきたとき
角交換四間飛車では相手が飛車先の歩を交換してきたときに、効果的な切り返しがありますので、私の実践例をご紹介します。
8手目8六歩、9手目同歩、10手目同飛
相手が早い段階で飛車先の歩交換をしてきました。
ここは素直に応じます。
11手目2二角成、12手目同銀
ここで角交換をします。
13手目7七角
この7七角が切り返しの一手です。飛車と2二銀の両取りとなります。
14手目8二飛
相手は両取りを防ぐためには、8二飛とするしかありません。
8九飛成と乱戦になることもありますが、今回はこの流れの解説は省略します。
15手目8四歩
8四歩と打つのがポイントです。8三歩と打つのも良いですが、飛車をよけられた後に膠着します。しかし8四歩ですと次の歩成が厳しいです。
手持ちの角を温存するパターン
8筋から攻める(逆棒銀)
相手が飛車先の歩を伸ばしてきたのを逆手にとり、逆棒銀をしかける方法です。
こちらも私の実践例を紹介します。
21手目8八飛
8筋に振りなおします。ここから逆棒銀をしかけます。
29手目8三歩
逆棒銀ではこの8三歩という「歩のたたき」が利きます。これで棒銀のスピードがアップしますので、覚えておきたい手筋です。
30手目7二飛
これで逆棒銀成功です。これほど上手くいくことはめったにないですが、覚えておきたい戦い方です。
<詳しい実践解説>
将棋クエスト初段の将棋日記83 角交換四間飛車(棒銀) VS 居飛車
7筋から攻める
7筋の桂頭を狙う方法を私の実践例を用いて紹介します。
27手目6六銀
相手7四歩を見て銀を上げます。7四歩の時は逆棒銀が決まりづらくなるので、7筋を攻めます。
29手目7五歩
相手7三桂と上がってきたので、すかさず7五歩と桂の弱点である桂頭を狙います。
32手目4四角
角交換四間飛車では相手のこの飛車を狙った角打ちには常に注意です。
39手目7三歩成
7筋突破した状態です。このようにいくことが滅多にないですが、頭には入れておきたい実践例です。
<詳しい実践解説>
将棋ウォーズ初段の将棋日記28 角交換四間飛車 VS 居飛車
6筋と8筋の両方から攻める(3二金型)
左金を左陣で使う方法もあります。
こちらも私の実践例を紹介します。
18手目3五歩
相手3七歩とするのを防ぐため、先に3五歩と位取りをします。
この時、玉が7二まで来ていることを確認してください。相手5六角打ちときたときに、8三と2三の両取りが狙われるので、先に8三歩を防いでおく必要があります。
20手目3二金
金を3二で使います。相手が飛車先の歩を伸ばしていることを逆に攻めていく準備をします。
22手目3四銀
2五歩を狙うために、3四銀とあがります。この後3三桂とすれば2五歩をタダどりできます。
23手目2四歩、24手目2四歩、25手目☗2四飛
こちらが3四銀か3三桂のタイミングで、相手は歩をタダどりされないように歩交換してきます。
26手目2三金
3四銀のタイミングで歩交換されたときは、2三金とします。
3三桂のタイミングですと2三銀にするのもありです。
28手目2五歩
これで相手の飛車先を抑え込むことができました。もともと相手が位取りしていたところを、こちらが位取りするという形に持っていくことができます。この後は飛車を2筋に振りなおして戦っていく等に繋がっていきます。
<詳しい実践解説>
将棋ウォーズ初段の将棋日記25 居飛車 VS 角交換四間飛車
レグスぺ(穴熊)
角交換四間飛車で美濃囲いにするのではなく、穴熊に組む戦い方もあります。
こちらも私の実践例でご紹介。
20手目9一玉
角打ちの隙に注意しながら穴熊に組んでいきます。飛車先の歩を4四歩としていると6五角打ちが8三歩と2一桂の両取りとなってしまいますので要注意です。
22手目8二銀
これでで穴熊完成です。普通の四間飛車穴熊と違いお互いに角を持ち駒にしているので、あまりに駒を片側に偏ると隙を与えてしまいますので、その点気をつけて戦うことになります。
<詳しい実践解説>
将棋ウォーズ初段の将棋日記30 居飛車 VS 角交換四間飛車穴熊(レグスぺ)
手持ちの角をすぐ使うパターン
筋違い角
奇襲戦法を四間飛車と絡めて行うことも可能です。実践例をご紹介します。
5手目4五角
筋違い角を打ちます。
13手目6八飛
飛車を振って四間飛車とします。
17手目7八角
角を一旦収納します。この後いかに角を使えるかがポイントになりますが、こういう戦い方もあります。
<詳しい実践解説>
将棋ウォーズ初段の将棋日記85 角交換四間飛車(筋違い角) VS 居飛車
藤森流秘蔵の一手(9七角)
棋士の藤森哲也先生がYoutubeで解説されていた角交換四間飛車(秘蔵の一手)の方法です。
実践で使ってみましたのでご紹介します。
21手目6五歩
7七角、7八銀の状態で、角道を空けます。相手が先に角交換をしかけてきても同銀で相手飛車先の歩交換を防ぐことができます。
25手目9六歩
9七の地点に角を打ちますので9六歩としておきます。
27手目2二角成、29手目7七銀
こちらから角交換をして、7七銀と上げます。
31手目9七角
これが藤森流秘蔵の一手です。この角が相手の飛車先の歩交換を防ぎますので、7七銀を攻めに使うことができるのがポイントです。
36手目9五歩
このように角頭を狙われることが多いです。そこで藤森流では、同歩と取って相手が同香と来た時に、ズバッと角を5三銀と交換することで、角と香銀と交換とさらに相手の陣形を崩せるという効果があります。実践では角道が止まっていたので、歩を取ることができませんでしたが、結果崩すことができました。
<詳しい実践解説>
将棋ウォーズ初段の将棋日記84 角交換四間飛車(秘蔵の一手) VS 居飛車
<藤森先生の実践動画>
https://www.youtube.com/watch?v=6eInNITDXic&t=512s
以上が角交換四間飛車の実践まとめのご紹介です。
角交換四間飛車といっても様々な手があり、複数の方法を覚えておけば相手の手に合わせて戦うことができます。ぜひ実践で試してください。
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〇将棋アプリで初心者が初段になるまでの目安や上達法
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